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IAHAIO(人と動物の関係に関わる国際会議)のご報告

2010年7月1~4日に開催された「IAHAIO(人と動物の関係に関わる国際会議)」に参加されました横山先生に事務局より会議の様子をお聞きしました。

横山:こんにちは。横山です。このIAHAIOは「人間と動物の関係に関わる国際会議」で、3年に1回開かれます。前回は東京でありましたが、今回はスウェーデンのストックホルム、そして、次回はアメリカのデンバーになりそうです。
ところで、今回発表している方々は、あらゆる職種の方がいますが、7割ぐらいが動物側の人です。つまり、「獣医」「動物行動学」などの人たちです。人間側の人たちをもっと増やしていかなければなりませんが、それは、需要の問題でもありますね。
 あと、参加国ですが、8割欧米人、2割が日本人、という感じです。つまり、「人間と動物の関係学」といっても、私には偏っているように感じられます。私は、「欧米が何においても先進国だ」という考えには反対します。進んでいるところもありますが、停滞していたり劣っているところも、たくさんあると思います。

事務局:海外での研究や実践報告をおききになり、改めて日本における「人と動物との関係」の特殊性を感じることはありましたでしょうか?

横山:むしろ、障害者に対する感覚の違いを感じます。日本では「アニマルセラピー」や「補助犬」を論じるときに、まず「犬」から考えますが、欧米の人たちは、日本人よりもっと、「障害者のQOLをいかに向上させるか」を真剣に考えています。だから、発表者も非常に「人間の障害」に対して詳しいです。そこが、日本と欧米での差をかなり感じます。

事務局:これまでの発表の中でその点でもっとも印象的であった発表について紹介していただけますか?

横山:おもしろい発表はいくつもありました。すべてが興味深かったと言ってもいいです。特に私が感じたのは、様々なやり方のセラピーの中で、いかに動物のストレスを考えるか、ということが重視された発表が多かったこと、そして、「アニマル・セラピー」の「スタンダード」というものは、その国の文化や風習を無視しては考えられない、つまり「動物観の差異」にようやく、光が当てられてきたように感じます。
 また、個人的には、「幼小児期にペットを飼っていた方がアレルギーになりにくい」という研究をされていう先生(かなり大規模調査です)と、人間と犬の関係性を行動学から分析したハンガリーの著名な先生(結局、猿より犬の方が人間に近い部分がある、ということですね)のお話を聞けたのが、大収穫でした。

事務局:今回の会場となったスェーデンにおけるアニマルセラピーのスタンダードはどのような状況なのでしょうか? 日本や日本がお手本にしている(OKですか?)アメリカのアニマルセラピーと比較して、お感じになったことはありますか?

横山:スウェーデンは欧米であり、アメリカと変わらないだろうと予想していましたが、全く裏切られました。この「超福祉国家」は、いい面も悪い面もありそうですが、少なくとも「アニマルセラピー」においては、自分たちの文化に基づき、非常に柔軟的に使っております。それこそが、「超福祉国家」と言われる所以なのだと、ひしひしと感じました。
 「超福祉国家」とは、国家が福祉を仕切るのではなく、国民各々が、「何が自分たちにとって福祉なのかを、各々考えている」国家でした。

事務局:最後に、先生の今回のご発表のことについて教えていただけますか?日本のアニマルセラピーの発展のための示唆をいただければ幸いです。

横山:私の今回の発表は、「多頭飼育」と「アスペルガー」の関係性の可能性を示唆することでした。
 これに関しては、未だにほとんど論文がなく、論証していかなければならなければならないところであると考えております。というのは、この問題に関する対処法が全く異なってくるからです。
 あと、日本のアニマルセラピーの発展ですが、根本となる「我々とペットとの関係」という大きな枠から考えて行かないと、最終的に行き詰ってしまう思いがします。その「文化」という裏打ちがあってこそ、それを利用した「セラピー」というものにもっていけるからです。


事務局:先生のご発表のテーマは臨床発達心理士として、大変興味深いです。動物側の視点と人間側の視点を同時にもつことの重要性と難しさを示唆しているように思います。また、今後のアニマルセラピー発展についてのご指摘からは、「文化」を固定的なものと考えず、「我々とペットとの関係」から我々の意識を見直していく作業も必要なのではないかと考えさせられました。ご報告ありがとうございます。

 日本総合的セラピー研究会が様々な立場の人間の相互交流により、これまで気づけなかった視点をもち、我々の文化とのすり合わせによる新たな支援方法を発見・発展させていくことができるとよいと改めて思いました。

 次回のアニマルセラピー部会等での直接のご報告を楽しみにしております。
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